Partager l'article ! さういへば、舅の紋七は: さういへば、舅の紋七は、夫ではないけれども、彼女に対して、まつたく、注 ...
さういへば、舅の紋七は、夫ではないけれども、彼女に対して、まつたく、注文が多かつた。嫁として舅に仕へるひと通りの心得はあるつもりなのだが、かた づいて来て、まだひと月もたゝぬうちから、もう、いつぱしの主婦の資格を要求した。 毎日顔を合はすわけでないのがせめてもの救ひであつた。しかし、三日にあげず、ひよつこりやつてきては、早速、小言の連発である。ふたこと目には、―― それで嫁の役がつとまるか、である。けつかう勤まります、と言つてやりたいくらゐである。 細かいことでは、掃除のこと、物の置き場所、飯のたき方、野菜のきざみ方、汁の加減、それから、気まぐれに、口紅でもつけてゐるのを見ると、もう、それ について、かれこれ言ふ。店の客の応待がことにやかましく、もつと愛嬌のある返事をしろとか、有難うございますを言ひ忘れたとか、いちいち難癖をつける。 ことに、夫に対する気の遣ひ方が足りないといふ、余計なお節介には、まつたく腹がたつくらゐで、あとでこつそりそのことを夫に告げて、ほんとにさう思ふか とたづねると、あれは親爺のくせだから気にすることはないと言はれ、やつと安心はしたものの、夫の前でも、ずけずけそれを言はれる時の切なさは、誰に訴へ やうもないのである。SEO対策 ブログ|WEB集客に繋げるSEOの基本
Janvier 2025 | ||||||||||
L | M | M | J | V | S | D | ||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||||||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||||
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | ||||
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | ||||
27 | 28 | 29 | 30 | 31 | ||||||
|